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直腸がん

直腸がんについて

大腸は結腸と肛門から約20cmの直腸に分けられます。直腸がんは大腸がんのうちの約30%を占めます。他の大腸がんと同じく、大腸カメラ検査を受ければ早い段階で見つけられます。また、早い段階では内視鏡による除去など、少ない負担で治療を行い治癒も期待できます。前がん病変である大腸ポリープを除去すれば直腸がんの発症を防げます。ただし、他の大腸がんとは違い、直腸がんは肛門や性器に隣接しているため、治療により肛門機能や性機能に影響が出ることがあります。病期が進んで手術をする場合には人工肛門を作らざるを得ないこともあります。また、直腸の近くには性機能や排尿に関わる神経が走っているので、慎重に術式を検討する必要があります。以上のことから、直腸がんが見つかったら医師と十分に話し合い、ご自身に1番適切な治療法を選ぶことが大切です。

症状

直腸がんは初期段階では発症しても症状に気付かない場合が多いです。40歳を迎えると発症しやすくなるため、こまめに大腸カメラを受けて早い段階で見つけましょう。
直腸を通る便は硬いため、がんと便が触れて出血して便潜血検査で陽性と判定されたり、血便に気付いたりして大腸カメラ検査を受け、それほど進んでいないタイミングで見つかる場合もあります。出血以外にも、貧血症状や何度も下痢や便秘が起こるなどの症状が見られます。直腸がんが増大して直腸が狭くなると便が細くなる場合もあります。腸管が詰まって腸の蠕動運動が完全に止まるイレウス(腸閉塞)を発症すると、お腹の張り、吐き気・嘔吐、腹痛などの激しい症状が起こります。血行障害や腸閉塞が見られる場合は緊急手術を行う場合もあります。

検査・診断

大腸カメラ検査をで、直腸粘膜の状態を確認します。疑わしい病変は内視鏡で組織を採取し、病理検査を行うことで確定診断を行うことも可能です。より高度な検査や治療を行う場合には、提携先の高度医療機関をすぐにご案内し、的確な検査や治療を速やかに受けていただけるように体制を整えています。

大腸カメラ検査について

治療

がんが直腸粘膜にのみある場合には内視鏡で除去できます。内視鏡で切除できないケースでも、肛門から切除する手術を行える場合もあります。がんが進んでいる場合は直腸を切除する手術が必要になりますが、進行度や病変の肛門からの距離により術式、人工肛門の有無、ロボット手術・腹腔鏡手術・開腹手術などの方法を選択します。また、術前や術後に化学療法や放射線療法なども併用する場合もあります。直腸の手術は性機能や排尿機能、肛門機能を制御する神経が近いため、大切な神経を残したり肛門括約筋に可能な限りダメージを与えない治療を行わなければいけないケースもあります。がんの状態や行える治療、そして各々の危険性をしっかりと把握した上で、最適な治療方法を選択することが大切です。

当院では患者様の状況やご希望に応じた治療を選んでいただけるようなアドバイスや、提携先の高度医療機関をご案内して最適な治療を行えるようにしています。