お尻や肛門が痛い、しこりがある
痛みはないがしこりがある、お尻や肛門が痛いなどの症状を経験された方もいるでしょう。がんや肛門ポリープ、いぼ痔ではないかと考えて当院に来院される方も多いです。
放っておくと腫れや痛みが悪化する場合があります。
しこりがある、お尻や肛門が痛いなどでお困りあれば、放置せず速やかに当院にご相談ください。
お尻や肛門の痛みが現れる疾患
痛みを感じる知覚神経は肛門の皮膚側に走っていますが、直腸粘膜には走っていません。そのため、痛みが出る場合は一般的に皮膚の方に問題が生じていると考えます。
しかし、痛みなどの症状の現れ方は患者様によって異なるため、大腸や肛門を注意深く診察して1人ひとりに合った検査を行います。
腫れのある痛み
血栓性外痔核
血豆（血栓）があるいぼ痔です。それほど腫れていない時は痛みも少ないですが、大豆程の大きさになると突然ひどい痛みが生じます。
治療は、肛門周囲の血流を改善し血栓が吸収されやすくなるよう坐薬や軟膏を処方したり、局所麻酔をして血栓を除去します。こうすればいぼも小さくなり消えていきます。
内痔核嵌頓
歯状線の内側に生じたいぼ痔で、うっ血した内痔核が歯状線を超えて肛門外に出てきて括約筋に締め付けられ、ますます腫れが大きくなり痛みも悪化します。適切な治療を行えばほぼ元通りの状態になります。
肛門周囲膿瘍
肛門付近に膿が貯留する疾患です。直腸粘膜と肛門上皮を分ける歯状線には、肛門陰窩と呼ばれる約10個もの小さな凹みがあります。この凹みに便が侵入して細菌感染を起こし膿が溜まることが原因です。
免疫が弱まっている時や軟便・下痢の時に発症する可能性が高いです。膿の量により痛みや腫れの程度が異なります。
粉瘤
粉瘤とは、皮膚の内側に袋のような構造物ができ、皮脂や角質が貯留して腫脹する疾患です。体のいずれの場所にも発生しますが、よく粉瘤が生じる部位の1つがお尻です。座った時などに押されると痛みが生じやすいです。
腫れずに痛みだけある
裂肛（切れ痔）
腫れていないもののお尻に痛みがある場合、切れ痔の可能性が高いです。
特に硬い便が出る時に痛みがひどくなり、トイレットペーパーにも血が少し付きます。そして、便を出した後も痛みが持続する場合が多いです。
また、切れ痔とともに肛門の皮膚が膨張して見張りいぼと呼ばれるいぼができたり、便を出す際に飛び出てくる肛門ポリープができたりする場合もあります。
肛門周囲膿瘍
肛門周囲膿瘍は、痛みも腫れも見られる場合もあれば、痛みのみに留まる場合もあります。症状のひどさも個人差が大きいです。
肛門の筋肉痛
肛門挙筋と呼ばれる肛門の筋肉に長い間負荷がかかって筋肉痛が生じる場合があります。代表的な原因には車の運転や長時間のデスクワークがあります。
お尻や肛門が痛い場合は当院までご相談ください
お尻や肛門が痛いと椅子に座る時や便を出す時など、日常生活の中で不快な気持ちになるシーンが多くなります。腫れているかどうか、痛む時期、痛みのひどさなどの症状は患者様によって異なりますが、何らかの疾患が隠れている可能性もあります。
日々の生活を健康で快適に送るためにも、お尻や肛門が痛い、腫れているなどの場合には速やかに当院にご相談ください。